AAC2015 最終審査に挑む3作品を発表!


株式会社アーバネットコーポレーションは、2015年5月2日から7月21日まで「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)2015」として、
「(仮)清澄白河Ⅱプロジェクト」のエントランスホールに展示する立体アート作品を、全国の美術を学ぶ学生から募集いたしました。
一次審査を7月27日に開催し、1点1点厳正なる審査のもと、最終審査にすすむ入賞3作品、ならびに入選8作品が決定いたしましたのでご紹介します。

≪入賞≫ ※応募順

「日の出」

金 俊来
京都市立芸術大学大学院 漆工専攻
素材:漆(乾漆技法) 想定重量:15 kg
サイズ:横幅940 × 高さ750 × 奥行200 (mm)

・入賞者コメント

この度は、このような栄えある賞をいただき、
すごく嬉しかったです。誠にありがとうございます。
受賞者のリストに自分の名前があるのを見ても、
すぐに信じられなくて10回も見ました。
漆は工芸のイメージが強い素材ですが、
塗り技法の多彩さなど無限の表現力を持つ
素材であると思います。
この作品を通して居住者の方々に、
漆の美しさと可能性の大きさを感じて
いただけたら嬉しいです。

                                                              
・コンセプト

日の出をテ-マとした作品です
居住者の方に日の出から感じられる元気なエネルギーの気持ちを伝えられたらと計画しました。
漆乾技法で形を作り、表面は江戸時代に主に使われた鞘塗りと呼ばれる変わり塗りで仕上げています。
自然素材である漆特有の暖かさや深みのある色味が観賞ポイントです。

「ひとつのうみ」

渡辺 志桜里
東京藝術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻
素材:真鍮、顔料 想定重量:20kg
サイズ:横幅1000× 高さ500 × 奥行500(mm)
・入賞者コメント

今回は入賞作品に選んでいただき、ありがとうございます。
制作に向けてより考えを固めていきたいと思います。

・コンセプト

海面を境に私たちは世界を二つに分けました。
陸地と海は元々は地続きだった地球の表面ですが海の水が低地を満たす事によって、そこは私たちの住む事のできない隠された領域になっています。
この水面を境にした二つの世界は私たちの意識にも強く作用しているのではないでしょうか。
例えば何か事件があって報道されたとします。
その事件を陸地と見立てると海中には顕在化されない出来事が隠れています。
顕在化するものしか私たちには知り得ませんが、その背景には夥しい数の情報が複雑に絡まって存在するはずなのです。
私たちの意識も氷山の一角に例えられるように、その海から顔を出さない面積の方が多いと言われています。
人が眠りについた後の世界も同じように海中の世界です。
かつて海に沈んでいた場所がひょっこり顔を出し人々の眠る意識を海の深いところへとたぐい寄せる場へ変容した事は必然だったのかもしれません。

「気配」

佐藤 風太
東京藝術大学 美術学部 彫刻専攻 3年
素材:鉄、アルミ溶射   想定重量:15kg
サイズ:横幅400× 高さ1600× 奥行300(mm)
・入賞者コメント

この度は入賞及び実制作の機会を頂き誠にありがとうございます。
エントランスというパブリックな空間と、マンションを行き来する方々を心に留めながら制作します。
作品からふと何かを感じて頂き、日々の生活がより豊かになって頂けるよう励みたいと思います。

・コンセプト

今日、様々な情報が簡単に手に入り、外側の形ばかり目に飛び込んできます。
少し立ち止まって考えたり、何かを感じ取る時間が必要ではないかと思います。
この作品はPC上で人体を造った後、形をそぎ落としていきます。
外見を単純化していくことで、ひとの気配のようなものを残し、ほとんどひととは認識できないが故に、
少し考えることができる。マンションを行き来する方々と少しでも共有することができれば嬉しいです。


≪入選≫ ※応募順

「刻」


「eternal morphology 」

 角田 梨菜
女子美術大学 芸術学部 デザイン・工芸学科 環境デザイン専攻2年
素材:木材     想定重量:60kg
サイズ:横幅1000×高さ2000×奥行45 (mm)


 豊海 健太
金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 博士課程
美術工芸専攻 工芸領域 漆芸分野 
素材:漆、卵殻、銅  想定重量:20kg
サイズ:横幅1000×高さ1000×奥行500 (mm)

   【審査員コメント】
  時間とはなんだろう。
  天体の動きが生みだすサイクルそのもの?
  限りある命を持つ動物や植物の成長や老い、死から意識するもの?
  火が燃やし尽くし、水が物体を風化させ溶かすまでのこと?
  そもそも時間は架空のもので、人間があると仮定したものだとしたら?
 それはちょうど、「裸の王様」の新しい服のようなものではないのか?
  誰かがあると言ったからあると思っているだけのもの。
 ここには表面には立体的な地図が刻まれている歯車がある。
 区切られた時間・空間の中で生きていることをクールに俯瞰しているのか。
 またも問う。
 空間とはなんだろう。
 それらの問いは虚しいことではなくむしろ日常を充足させる。
  (鈴木 芳雄)

【審査員コメント】
昆虫の羽をひとつの花びらとして、円状に配して花を形付け永遠の新
たな生態に昇華するというロマンチックなアイディアは素晴らしい。
昆虫の羽のような自然の造形美の神秘性は人の心をつかんではなし
ません。
今回はその実現に際して、このような実際の大きな羽を使うのか、
もしくは羽を描写していくのかというところがよくわからず(描写ならば
神秘性は大きく損なわれると思います)、また、現実的に多くの人に
虫の好き嫌いというところがあり、そこが公共の場所としての難点だと
思いました。
(小山 登美夫)                                           

「Familiar」


「THE CORE / THE BORDER」

 グループ名:S.T
左高 千裕 ・ 角田 梨菜
女子美術大学 芸術学部 デザイン・工芸学科 環境デザイン専攻 2年
素材:針金、鉄   想定重量:5kg
サイズ:横幅1000×高さ600×奥行き600(mm)

後藤
東京藝術大学 美術学部 デザイン専攻 4年
素材:木、ワイヤー、革、鉄  想定重量:75kg
サイズ:横幅950×高さ2000×奥行き450(mm)
              


【審査員コメント】
マンションの入り口に置く作品として多くの人々の形をつくり、コミュニティを表現する作品のコンセプトは大変素晴らしいと思います。
隣人同士が集まってひとつのまちをつくることがよく表されています。
ただし、人の形が小さくなってしまうのではないかと心配です。
針金の造形の面白さをどこまで出すことができるでしょうか。

(清水 敏男)                         

【審査員コメント】
あまり物質性をもたない糸でもって境界を軽やかに隔てることに
よって、空間を作っていくことと、その色や素材、デザイン性に
興味を持ちました。
過去の作品を見てもその造形性には力を感じます。
今回は骨という形がちょっと気になりました。
有機的な形と糸の直線ということですが、もう少し形自体に
象徴性を持たせて、ダイナミックな形を作った方が良かった
のではないかと思います。
また、糸を使うということの継続性、耐久性などが公共的なところで
大丈夫なのかというところもひとつの議論の対象になるところです。

  (小山 登美夫)      
 

「earnest」


「ridge」

 堀田 光彦
  武蔵野美術大学 造形学部 彫刻科 ブロンズ 4年
 素材:ブロンズ  想定重量:90kg
サイズ:横幅650×高さ1900×奥行き400(mm)

   李 旭
   武蔵野美術大学 造形学部 彫刻領域 4年
    素材:木、鉄  想定重量:100kg
    サイズ:横幅1000×高さ1700×奥行き500(mm)



【審査員コメント】
江東区の花サザンカをテーマにしたことは大変評価できます。
区の花について区民でもあまり知らないことかもしれません。
新しい住民が江東区に親しみを覚える良いきっかけになることでしょう。
過去作品を見ても技術がしっかりしています。
とくにブロンズの地肌の感じが良いです。
しかし、マンションの入り口に巨大な蕾があるとびっくりしてしまうかもしれません。
サザンカの蕾はもっとふっくらしているようなので、大きさと形に工夫が必要でしょう。
 (清水 敏男)


【審査員コメント】
マンションの入り口の作品テーマとしてはわかりにくいと思います。
もっとストレートでわかりやすいテキストが必要です。
彫刻作品としては過去作を見ても良い作品をつくることができる作家
だと思います。
ただしマンションの入り口に置く作品としては、テーマのわかりにくさと
形状の複雑さを改善したほうが良いでしょう。
(清水 敏男)
 
 

「KUMIKOUZOU」


「BASE」

 菊池 慶香
東京藝術大学大学院 美術研究科 建築専攻 構造計画
 素材:ウォルナットor杉  想定重量:5kg
サイズ:横幅1000×高さ1900×奥行き200(mm)

   村田 勇気
    東京藝術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻
    素材:木、漆  想定重量:60kg
    サイズ:横幅500×高さ700×奥行き500(mm)


【審査員コメント】
「雪は天から送られた手紙」と語った中谷宇吉郎のことを思い出した。
雪や氷の研究では大きな業績を遺した物理学者で随筆家。
この作品は雪と同じ六角形で構成されていたためだろう。
しかし、よく見たらモチーフは雪ではなかったが。
自然界のものを図案化、抽象化し、規格化すること。
デザインの仕事としてそうしたことはずっと続けられてきた。
なぜならそれはとても気持ちのよいことだからである。
分類化し、整理し、納得することができるからだ。
伝統模様をオブジェ化し組み上げ、スクリーン状にすることによって、遠くから見たときは幾何学模様が空を引き締め、近くから見た時は和の意匠の豊かさにより空気が和む。
 (鈴木 芳雄)


【審査員コメント】
ともて安定感のあると同時に浮遊感もかね備えたこの形にまず、ひか
れます。
山のような、卵のような、惑星のような球体に東洋的な雲の形状が
わりつく。
素材も木ということなので、色が全くわからないということ、色はこの場
合とても重要な要素になるので、その部分への説明が欲しかったです。
あと、とても宗教的な要素が強すぎる可能性もあるというのが、ひとつ
の議題でした。これも、公共の場所での作品がもつひとつの課題かも
しれません。
(小山 登美夫)

応募について


56作品(2014年:62作品)
応募者数:55名(2014年:54名)
23.4歳(最年少19歳・最年長57歳)

■ 男女データ

■ 学年データ

  学年    人数
1年 1
2年 9
3年 8
4年 13
大学院 25

■ 都道府県

都道府県 人数 都道府県 人数
東京都 18
山形県 3
静岡県 7
滋賀県 2
神奈川県  6
徳島県 1
千葉府 6
広島県 1
愛知県 3 福島県 1
石川県
3 和歌山県  1
京都府
3 埼玉県 1

 ■ 学校別データ(全25校)

校名 人数 学校名 人数 学校名 人数
東京藝術大学 9
成安造形大学
2
多摩美術大学
1
静岡大学
7
東京藝術大学大学院 2
千葉工業大学 1
武蔵野美術大学
6
すいどーばた美術学院
1
修成建設専門学校 1
女子美術大学
4
鳴門教育大学大学院  1 広島市立大学 1
東京造形大学 3 名古屋芸術大学 1 慶應義塾学校
1
東北芸術工科大学 3
福島大学 1 金沢美術工芸大学大学院
1
愛知県立瀬戸窯業高等学校  2 日本大学 1 京都精華大学 
1
京都市立芸術大学 2 多摩美術大学大学院 1 ヤンエバンゲリスタプルキニエ大学
1
金沢美術工芸大学
2
 
   
 

一次審査について


募集 マンションの共用空間に展示するための立体アート作品
設置場所 「(仮)清澄白河Ⅱプロジェクト」マンションのエントランスホール(東京都江東区)
分野 立体アート(彫刻、レリーフ等も含む立体作品)
材質 石・鉄・FRP等、長期展示に耐えうる素材
形状 展示場所にアンカー等で固定できる形状(居住者にとって安全で、且つ壊れにくいことが必須条件)
作品サイズ 展示スペースに収まる寸法で、重量約100kg以下
展示スペース 幅1000×高さ2000×奥行き500(単位:mm)
補助金 第一次審査を通過した優秀賞入賞者には、それぞれ「20万円」を支給(搬出入費・遠方の方の宿泊費等は別途支給)

・氏名、性別、学校、受賞歴などのプロフィールについて、完全に伏せた上での審査
・判断材料はA4サイズのプレゼンシート2枚
プレゼンシート1:スケッチ・マケット写真など
プレゼンシート2:タイトル、素材、サイズ、重量、コンセプト、イメージに近い既存作品や過去の自分の作品写真
清水 敏男  (TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE代表、学習院女子大学教授、美術評論家)
鈴木 芳雄  (編集者、美術ジャーナリスト、愛知県立芸術大学客員教授)
小山 登美夫(小山登美夫ギャラリー株式会社 代表)
服部 信治 (主催会社 代表取締役社長)