AACポスターコンペ2009 審査結果発表

2009年5月19日、株式会社アーバネットコーポレーションにおいて、「AACポスターコンペ2009」の審査会を開催いたしました。
募集開始から約1ヵ月半という短い期間でしたが、全国から172点もの応募がありました。
審査はえぐちりか氏(アーティスト/アートディレクター)、北澤ひろみ氏( キュレーター) 、服部信治(主催会社 代表取締役社長)により厳正に行われ、以下のように受賞作品が決定しました。

>>AAC2009・AACポスターコンペ2009合同表彰式・懇親会<<

最優秀賞受賞作品

「手に豆が出来る程」
村岡 あさこ
多摩美術大学
美術学部 グラフィックデザイン学科 3年
■受賞者コメント
このような素敵な賞をいただきありがとうございます。大変嬉しく思っております。
私は普段平面作品を扱っている身なので美術大学に通っておきながら彫刻やオブジェの類いは敷居が高く感じ、恥ずかしながらあまり身近に感じる事ができませんでした。
しかし、彫刻科の友人の手のひらにある「まめ」を見た瞬間一気に親近感が沸き、友人の作品の裏にある努力や汗を感じ取ることができました。
そんな「手に豆が出来る程」全力で立体を制作している人々に沢山応募してもらいたい。そしてそのような人たちにAACを通して世間一般に立体作品を浸透させてもらいたい。このポスターにはそんな気持ちがこめられています。
その気持ちが少しでも伝わったら幸いです。
そして、こんな素敵な気持ちに気付くキッカケを与えてくれたこのコンペに深く感謝いたします。
■ 審査員 : えぐちりか / アーティスト・アートディレクター
最優秀作品は、審査会の最中、かなり目を引くものでした。
最後まで残った作品の中でグランプリを決める際、この表現は大好きだけどきっと他の審査員の方は別のものを選ぶだろうから、私の特別賞にしようかなどと考えていたら、このコンペの主催者であり審査員の服部さんがひと言。
「ぼくはこの作品が一番すきです。」
アートディレクターを続けているうち、好きだけどこの表現はダメ、あれはダメ、と知らず知らずのうちに既成概念にとらわれていたようです。
「実は私もこれが一番すきなんです。」
「私も」「私も」とフタを開けたらキュレーターの北澤さんも、周りにいたスタッフの方達もみんながこれが大好きだったんです。
もしかしからこのポスターは万人に受けるものではないかもしれない。
でもこのポスターには人を引きつける力があると私は思いました。
こんなポスターが世の中にデビューすること、これこそがこのコンペの面白さであり学生コンペの醍醐味だと思います。私の頭の中をひっくり返したこんなポスターに出会えたことが嬉しいです。

入選受賞作品 応募順

「“Share the Vision”」
渡辺 新平
多摩美術大学
美術学部 グラフィックデザイン学科2年
選んで頂きありがとうございます、とても嬉しいです。
今後の励みにもなります。 たくさんの場所で、作品と見た人の間に様々な芽がでると良いですね。
「着るほどに美しい」
孫 君杰
東京大学
工学部 建築学専攻4年
この度は入選作品にお選びいただき嬉しく思います。
グランプリを獲れなかったことが大変残念ですが、これから努力していきたいと思います。
「学生のミロのヴィーナス」
小林 清恵
武蔵野美術大学
造形学部 基礎デザイン学科4年
今回、このコンペティションで入賞出来たこと、大変嬉しく思います。
この賞は私にとって、これからの制作活動に向けて、大変励みになる賞となりました。
また、もっと多くの人を楽しませるものを作れるように、向上していきたいと思います。
「Look at me!」
福嶋 春香
京都造形芸術大学
芸術学部 コミュニケーションデザイン2年
AACはまさに学生のためのコンペ。多くの人に見てもらえるチャンスの場でもあります。たくさんの人に応募してほしい!そんな思いで制作しました。
何かを見つめる人々。
何かが欠けた画面。
そこにあるのはもしかしたら自分の作品かも…
そんなふうに、見た人に色々な想像をしてほしいと思います。 最後になりましたが、選んで頂きありがとうございました。ぜひまたチャレンジさせて下さい!
「やっちまえ」
石井 達也
東京デザイナー学院
イラストレーション 絵本創作1年
この度はこのような賞に選んでいただきありがとうございます。僕は、アドレナリンが多量に分泌され脳が爆発したかのようになるとき良い作品は生まれると考えています。本コンペに応募される学生の皆さんがより良い作品を生み出せる起爆剤になればと思い、作り手に対するメッセージを込めて製作しました。このポスターを自分へのメッセージとして、これからも熱をもって作品を作っていきたいと思います。
「積み木」
西田 悠亮
日本大学
芸術学部 デザイン学科CD3年
このような賞を頂きありがとうございます。入賞できたことを大変名誉に思っています。
今回は「積み木」をテーマにポスターを制作しました。
募集される立体アートがそれ自身のディテールのみに価値を置かずに、周囲との関係性の中でも輝ける存在であってほしいという想いをビジュアル化しました。
大賞を取れなかったことはとても悔しいのですが、これを励みにまた次の創作活動に励みたいと思います
「もくもくと。」
斎藤 哲也
千葉工業大学
工学部 デザイン科学科4年
入選できてうれしかったです。
自分の技術を高めるいい機会なりました。
「cone」
林 由樹彦
京都工芸繊維大学
工芸科学部 造形工学3年
このコンペで入選できた事を非常に嬉しく思います。「AAC」という文字をシンプルな立体であるコーンを用いて表してみました。良い作品を制作できるよう今後も頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
「集」
土肥 正人
デジタルハリウッド東京本校
クリエイティブラボWeb・グラフィック 研究生
とても楽しく制作できました。
大賞とれなかったことが悔しいですが、良い経験になったと思います。
実際の立体コンペの作品も楽しみにしています。
 
 
 

総評

■ 審査員 :  北澤ひろみ / キュレーター
 学生のコンペのためのポスターを学生がデザインする。ごく自然なことのようですが、広く公に配布されるものとしては、それほど例がないのではないでしょうか。それはやはり、ひとたび広告としての役割を担うことで、プロフェッショナルな視点が必要とされるからではないかと思います。
展覧会を企画するなかで、毎回必ずポスターやチラシなどの広報用印刷物を作成します。自分の頭の中だけにあった展覧会に、アーティストも含めて次第にいろいろな人が関わるようになり、さらに印刷物を制作する段階となると、俄然、現実味を増してくるとともに、広く一般に告知することで、責任も発生してきて身が引き締まる思いがします。展覧会の内容を一枚の紙で伝えるのはとても難しく、また、出品アーティストの作品のイメージを使用することが多いので、デザイナーの方々にとっては、作品をどう料理するかも腕の見せどころです。
今回のポスターコンペの応募者の作品からは、AAC彫刻コンペについての様々な解釈と、ユニークな視点から、それをかたちにして伝えようという、意気込みが伝わってきました。建築とアートの関係を考えさせるもの、公募という開かれた機会を表すもの、彫刻を作る側の視点に立ったもの等々。それらが直接的、間接的に、さらにはひとひねり加えたアイディアで表現されていて、学生の皆さんならではの、のびのびとした自由な発想には驚かされました。また、デジタル技術の進歩もあってか、デザイン先攻以外の方々からも、多数の応募をいただいたことも、応募作品の幅を拡げた要因だったように思います。
応募していただいた皆さんは、伝えたいことを不特定多数の人々にポスターという媒体によって表現することを試みたことによって、プロフェッショナルなステージへの一歩を踏み出す経験をしたのです。次の段階へと進むには、さらなる困難も待ち受けていることもあるかもしれませんが、その先は、より多くの人々や様々な世界と、デザインを介して繋がることができる喜びが待っているのです。将来、そんな喜びを味わうことができた時に、このコンペに参加した経験、そしてその時の自分自身を思い出していただければ幸いです。

審査風景

参加者概要

■ 応募総数
172点
■ 応募者数
130名(男性:75名、女性:55名)
■ 年齢別データ
平均年齢:22.0歳
■ 応募者在住 都道府県データ
全24都道府県
東京都 32名 茨城県 4名 鹿児島県 2名
千葉県 17名 広島県 4名 三重県 1名
愛知県 10名 大阪府 4名 熊本県 1名
神奈川県 9名 福岡県 4名 秋田県 1名
埼玉県 8名 北海道 4名 佐賀県 1名
京都府 7名 滋賀県 3名 石川県 1名
岡山県 5名 静岡県 3名 栃木県 1名
富山県 4名 岐阜県 2名 兵庫県 1名
■ 学校別データ(全53校)
武蔵野美術大学 9名 愛知県立芸術大学 2名 佐賀コンピュータ専門学校 1名
東京デザイナー学院 8名 京都造形芸術大学 2名 市立尾道大学 1名
日本大学 8名 近畿大学 2名 首都大学東京 1名
多摩美術大学 7名 慶応義塾大学 2名 秋田大学 1名
富山大学 5名 鹿児島大学 2名 情報科学芸術大学院大学 1名
岡山県立大学 5名 静岡文化芸術大学 2名 静岡大学 1名
千葉大学 5名 総合学園ヒューマンアカデミー広島校 2名 千葉工業大学 1名
九州大学 4名 東京藝術大学 2名 創造社デザイン専門学校 1名
女子美術大学 4名 日本電子専門学校 2名 大阪教育大学 1名
早稲田大学 4名 名古屋学芸大学 2名 拓殖大学 1名
東京造形大学 4名 EPFL 1名 東京大学 1名
名古屋造形大学 4名 デジタルハリウッド東京本校 1名 東京電機大学 1名
京都工芸繊維大学 3名 関西大学 1名 東京理科大学 1名
成安造形大学 3名 京都芸術デザイン専門学校 1名 美術大学予備学生 1名
桑沢デザイン研究所 3名 共立女子大学 1名 北海道芸術デザイン専門学校 1名
筑波大学 3名 金沢美術工芸大学 1名 名古屋学芸大学短期大学部 1名
豊橋技術科学大学 3名 熊本大学 1名 立命館大学 1名
北海道大学 3名 広島大学 1名

主催会社挨拶

■ 服部信治 / 株式会社アーバネットコーポレーション 代表取締役社長
まずは、短期間の告知にも関わらず、ご応募いただいた学生の皆様、本当にありがとうございました。

弊社は、学生限定の彫刻・立体アートのコンペ『アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)』を毎年開催し、今年で9回目になります。このAACの募集告知ポスターは、今までプロの手によって制作していましたが、「AAC参加者と同じ立場の学生に、ポスターを制作してもらおう」というアイデアが弊社スタッフから出て、前回から『AACポスターコンペ』を企画・開催いたしました。
彫刻・立体アートのコンペとは全く違う面白い企画。『コンペのコンペ』という趣旨が学生の皆様に伝わるかどうか不安でしたが、たくさんのクオリティの高い作品が寄せられ、光栄に存じております。

AACは、「彫刻・立体アートを学んでいる学生の発表の場が少ない」ということから、「これらを学ぶ学生を支援していきたい」、「彫刻・立体アートと建築が融合することで展示する場を増やし、更には日本のマンションに住まう人々にアートを楽しんでいただきたい」という強い気持ちで始めた学生限定の彫刻・立体アートコンペです。

このAACを広く知っていただくための告知ポスターコンペ(AACポスターコンペ)は、日本で学ぶ学生なら学部も国籍も問わず誰でも参加できるようにしました。実際、コンピュータのプログラムやシステム開発、建築を学ぶ学生からの応募もあり、アートに感心のある全ての学生が切磋琢磨するような場の提供は、有意義な活動になっていくと考えております。

最後になりましたが、お忙しい中、審査にご協力いただいたえぐち様、北澤様には大変感謝しております。ありがとうございました。また、告知にご協力いただきました学校関係者の皆様、マスコミ各社の皆様にも御礼申し上げます。

ジャンルを問わず若い世代のアーティストがAACをきっかけに、日本で、そして世界で活躍することを願って、10回、20回と地道に活動を続けていきたいと考えております。