AAC2007 最優秀賞・副賞 美術旅行レポート

作品タイトル: 「Balance - from a division body -」
岩田 秀和(いわた ひでかず)
東京藝術大学
イタリア フィレンツェ・ローマ 美術旅行レポート
フィレンツェ
ウフィッツィ美術館
ウフィッツィ美術館は、主に2階、3階の計45の展示室からなるアカデミア美術館と並ぶフィレンツェの代表的な美術館であり、イタリア、ドイツのルネッサンス絵画から15世紀ベネツィア派、16世紀トスカーナマニエリズム絵画まで、時代を追って幅広く観賞できる。私が訪れた時はタイミングが悪く、ちょうど日本でウフィッツィ美術館の名画の巡回展示やっていた様で「ウルビーノのヴィーナス」や「春」、「ヴィーナスの誕生」は残念ながら見ることができませんでした。しかしながら、回廊に沿って展示されているローマ彫刻は圧巻です。
アカデミア美術館
アカデミア美術館といえば、誰もが一度は目にしたことのある、ミケランジェロ作の「ダヴィデ像」が展示されている美術館です。ここでの見所は、「ダヴィデ像」もさることながら、廊下の展示スペースに並ぶ4体のミケランジェロ作の「奴隷像」は非常に面白かったです。未完であるが故の面白さや自分がミケランジェロになった気分で制作過程を追いながら作品を観賞できます。
サン・ロレンツォ教会
サン・ロレンツォ教会では、学生時代よくデッサンしたミケランジェロ作の「メディチ家の墓碑」が展示されています。ただ、入場口が教会の真裏の細い通り沿いなので探すのに苦労しました。
ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)
ドゥオーモ内は、当日、雨だったこともあり薄暗く、雰囲気は良かったのですが、絵画がよく見えなかったのが残念でした。しかし、クーポラに描かれていた絵画はとてもきれいでした。
ユーロスターで一路ローマへ
ヴァチカン博物館
ヴァチカン博物館は、昼過ぎ頃に行ったということもあり、長蛇の列で入場するまでに一時間近くかかってしまいました。ヴァチカン博物館は、膨大な敷地に28の広い展示スペースを持つローマ最大の博物館なので、時間的なこともありターゲットを絞り観賞しました。ラファエッロの間やシスティーナ礼拝堂など見所は多々ありましたが、やはり彫刻家である手前、ピオ・クレメンティーノやキアラモンティ、新回廊がとても興味深かったです。特に、ピオ・クレメンティーノの「動物の間」はリアリティの中に、どこかコミカルな愛らしい動物彫刻や胸像群が部屋いっぱいに展示されており異様な光景でした。
サン・ピエトロ大聖堂
サン・ピエトロ大聖堂では、今回の旅行で最も注目していたミケランジェロの「ピエタ」とベルニーニの彫刻群を堪能しました。両者共にシルクの表現がすばらしく、大理石のマッスから彫り上げたとは考えられない程のシルクの触感を感じる表現力に感動しました。
ボルゲーゼ美術館
ボルゲーゼ美術館は、ベルニーニのためにあるといっても過言ではない程、ベルニーニの傑作を中心として展示しており、定員制をとっているので落ち着いてゆっくり鑑賞できます。今回の旅行で訪れた美術館の中でも、自然光の入りや細部にまで渡る作品展示など、どの要素をとっても完璧なすばらしい美術館でした。ここでは、ベルニーニの「アポロとダフネ」、「プルートとプロセルピーナ」の展示で有名ですが、想像以上の緻密な表現に圧倒されました。特に、「アポロとダフネ」の月桂樹の表現には感動します。
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会は、ベルニーニ作の「聖テレーザの法悦」を鑑賞するために訪れたのですが、ファサードや天井画もすばらしい出来栄えでとても綺麗でした。「聖テレーザの法悦」は”美しい“の一言で、天井から降り注ぐ光と完全に一体化しており、彫刻とそれを取り巻く環境(建築)が計算されて作られていました。建築家でもあったベルニーニだからこそできる技であったと思います。
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会は、ベルニーニの晩年の傑作である「福者ルドビカ・アルベルトーニ」が飾られており、晩年の作品というだけに静かな中に表情、シルクが絶妙に表現されており、気づくと一時間以上もこの作品に魅了されていました。この旅を締めくくるのに相応しいすばらしい作品でした。