AAC2012 最終審査に挑む3作品を発表!

 株式会社アーバネットコーポレーションは、2012年6月18日から9月20日まで「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)2012」として、「(仮)入谷プロジェクト」のエントランスホールに展示する立体アート作品を、全国の美術を学ぶ学生から募集いたしました。
一次審査会を9月21日に開催し、1点1点厳正なる審査のもと、最終審査会にすすむ入賞3作品、ならびに入選7作品が決定いたしましたのでご紹介いたします。
≪入賞≫ ※応募順

catena

山口 恵美さん
佐賀大学大学院 教育学研究科 教科教育専攻 2年
素材:磁土(審査員からメンテナンス性の指摘があり、実制作は展示方法を変更予定です)
サイズ:横幅850×高さ600×奥行400(mm)  想定重量30kg
・入賞者コメント

この度は賞と共に作品制作の機会を頂くことができ、非常に感謝いたしております。ありがとうございます。
私はガウディの建築技法である「逆さ吊り実験」にヒントを得、焼物で作品制作をしています。
現代のマンションのエントランスに、原始的な建築技法を取り入れた作品を展示できることは今からとても楽しみです。
今までにない大きな機会に緊張していますが、皆さんに楽しんでいただけるような作品にできるよう、制作に励みたいと思います。

・コンセプト
繊維に土を吸わせて焼成すると、繊維についていた土だけが残る。これを利用して、毛糸に土を染み込ませそれを編むことで焼き物の形を制作した。
磁器土で制作する際にはロクロや石膏型を使用しなければ形を立ち上げることが難しいが、この繊維に土を染み込ませることによって今までとは違ったかたちで素材にアプローチすることができた。
制作する際には建築家ガウディの逆さ吊実験のように、作品を逆さまに吊った状態で制作する。
このことで制作時のさまざまなリスクを軽減することになり、また作品自体に自然な放物線のラインをもたらすことができる。
今回は台座に置くものと、壁にかけるものの2点制作し展示したい。
窯の中でしっかりと立った状態のものと、変形したものの2点である。
変形したものも最初は意図的ではなかったもののその形の面白さからインスピレーションを受け、今回の作品制作へのヒントとなった。

「景」

帆足 枝里子さん
女子美術大学大学院 美術研究科 美術専攻 修士課程 立体芸術
素材:陶土、木材  サイズ:横幅1800×高さ1800×奥行150(mm)  想定重量40kg
・入賞者コメント

此の度、実制作の機会を与えていただいたことを、本当に嬉しく思っております。
学生である期間に、このような大きな経験ができることに、喜びを感じるとともに、不安や緊張も感じています。
この作品を構想した時のイメージを大切に、制作していきたいと思います。

 

 

・コンセプト
当該建物が建設されるのは、古くから、そして、今も多くの人々が行き交う上野に程近い、住宅地の入谷。この建物に入り、天井・床・壁が黒のエントランスホールを通り抜けて見えるのは、作品が設置される白い壁。私は、この白い壁に、奥行きを感じさせる作品を置くことにより、居住者の方々に、都会の喧騒から静かな個々の住空間へと、まるで黒いトンネルを抜けて別世界に移動していくような気分で、エントランスホールを歩いていただきたいと考えた。
作品は、土の収縮する性質によって生じるヒビの大小により、遠近や広がりを感じさせるものとなり、また、モノクロームな空間に、土の持つ暖かさが自然を感じさせてくれるものとなるのではないかと考える。

「結」

グループ名 : 金保/平山
金沢美術工芸大学 美術工芸学部 工芸専攻 2年
素材:木、アクリルパイプ、染料、縄  サイズ:横幅2000×高さ500×奥行400(mm)  想定重量20kg
・入賞者コメント

 この度は入賞作品に選んでいただきありがとうございました。実制作の機会を得られたことを大変喜ばしく思っております。

 マンションのエントランスに設置する作品ということで居住者の方々の日々に彩りを加えるような、そして人と人との繋がりというものを想起させるような作品にしたいと思います。

このような形での製作は初めての経験でもありますし、責任を感じますがグループで力を合わせて製作に取り組みたいと思います。

 

・コンセプト

 時代ある街に建つ新しいマンションであること、ワンルームマンションであり単身者などが主な居住層であること、シックな印象を持つエントランスに設置するということから、カラフルだが落ち着いた作品のイメージが浮かんだ。

 作品は白い板でアクリルパイプを挟みこみ、それぞれのパイプに縄を巻きつけている構造。

 色彩の重なりで流れゆく時の積層を表現し、彩色されたアクリルパイプをその軽やかかつ透明度の高い素材感から、変わりゆく掴みどころのない時の表現とする。それらを重々しく確かな存在感を持つ縄でつなぐことにより、時代の繋がりをビジュアル化しようと試みた。

歴史は過去から未来への積み重ねであり、過去は消えることなくどこかで繋がり循環している。人もまた同じように様々な繋がりによって支えられている。
現代において人と人の関係の希薄化が言われる中、それでも確かに存在する繋がりを想起させる作品でありたい。

≪入選≫ ※応募順

「空」

「gimmick act」

池上 宗太郎さん
武蔵野美術大学大学院 造形研究科 美術専攻 彫刻コース
河上 達哉さん
専門学校九州デザイナー学院 イラストレーション学科 イラスト専攻 2年
サイズ:横幅1500×高さ1400×奥行80(mm)
素材:鉄、透明樹脂、ビー玉
想定重量:50kg

【審査員コメント】

明快なデザインなので、うまくいけばとても綺麗な作品になると思う。
実際どういうように見えるかは、ビー玉に対するライティングが大きく影響するだろう。

実作品を見てみたいが、過去の参考作品で類似のものが無いため、仕上がりが予測できず、不安。
サイズ:横幅1030×高さ1450×奥行25(mm)
素材:スチレンボード、厚紙、透明アクリル、時計のムーブメント
想定重量:1kg

【審査員コメント】
歯車というメカニカルな部分と造形的な面白さが期待出来る作品。
しかし、電池で動くので、選択した素材では耐久性・保存性の懸念がある。
またこの作品は音が出ると思うので、住宅での設置には厳しいものがある。
実際に見てみたいと思う作品なので、もう少しそのあたりをよく考えて詰めていってほしい。
今後に期待したい。

「giraffe」

「光の厚み」

石坂 祐子さん
武蔵野美術大学 造形学部 工芸工業デザイン学科 陶磁専攻 4年
家門 生未さん
神戸大学 工学部 建築学科 4年
サイズ:横幅180×高さ650×奥行290(mm)
台座:横幅110×高さ400×奥行400(mm)
素材:陶土

【審査員コメント】
キリンは普通見上げるものだけど、それを見下ろしているという視点が面白く、また愛らしい感じが出ていると思う。
しかし、この場所に本当に合うのかどうかというのと疑問が残る。

サイズ:横幅2000×高さ2200×奥行400(mm)
素材:紙

【審査員コメント】
ダイナミックで面白いと思ったが、素材が紙でしかも非常に柔らかいものを想定しているため、耐久性に問題があると思われる。 一時的な展示であれば、もう少し耐久性のある紙を織り込んだアクリルを使うなど、ハードな素材を使えば成立するだろう。今後はそういった点も含めて提案に含めて欲しい。

「 足跡 ~積み重なる~」

「帰山」

山崎 宜久さん
横浜美術大学 美術学科 工芸領域 2年
えみにまるさん
東京藝術大学 美術学部 油画専攻 3年
サイズ:横幅730×高さ910×奥行390(mm)
素材:鉄
想定重量:10kg

【審査員コメント】
遠くから正面を見た時の面白さと、近づいてみた時に具体的な動物の顏を発見したときの驚き。それが組み合わさり時間経過と空間とが上手くマッチした、非常に可能性のある作品だと思う。

サイズ:横幅1620×高さ1120×奥行70(mm)
素材:木材
想定重量:20kg

【審査員コメント】
作品としては面白いが、良い素材の木を使わないと安っぽく見えてしまうのではないかという懸念がある。 うしろが窓のようなところでも成功する作品ではないかと思う。

「うつろい」

 

グループ名:KITAZATO Akihiro × HAYASE Katuhiko
北里 彰浩さん、早瀬 勝彦さん
多摩美術大学 科目等履修生、桑沢デザイン研究所 総合デザイン科 ビジュアルデザイン専攻
 
サイズ:横幅400×高さ2000×奥行400(mm)
素材:アクリル板、アクリルラッカー塗装、テグス
想定重量:10kg

【審査員コメント】
写真写りはかなり良いが、過去の参考作品を見ると完成度が低いものが多く、また今までの作品に一貫性がないことも気になった。 設置する空間に対して作品が大きく、バランスについてももう少し詰める必要がある。

 

応募について

29作品(2011年:28作品)
応募者数:26名(2011年:26名)
23.7歳(最年少18歳・最年長31歳)

■ 男女データ


■ 学年/都道府県/年齢データ


学校別データ(全12校)
多摩美術大学 4人 神戸大学・大学院 2人
東京藝術大学 4人 福岡教育大学・大学院 2人
女子美術大学 3人 横浜美術大学 1人
武蔵野美術大学 3人 佐賀大学大学院 1人
愛知県立芸術大学 2人 専門学校九州デザイナー学院 1人
金沢美術工芸大学 2人 日本大学大学院 1人


■ 専攻分野データ
彫刻7名、工芸4名、建築2名、立体芸術2名。その他 空間演出、日本画、油画等
昨年のAACに応募されたことのある方
2011年度応募:3名 (入賞:1名、入選1名)

一次審査について

募集 マンションの共用空間に展示するための立体アート作品
設置場所 「(仮)入谷プロジェクト」マンションのエントランスホール(東京都)
分野 立体アート(彫刻、レリーフ等も含む立体作品)
材質 石・鉄・FRP等、長期展示に耐えうる素材
形状 展示場所にアンカー等で固定できる形状(居住者にとって安全で、且つ壊れにくいことが必須条件)
作品サイズ 展示スペースに収まる寸法で、重量約200kg以下( 展示スペースの壁面に設置する場合、重量約100kg以内)
展示スペース 幅2000×高さ2200×奥行400 (単位:mm)
台座サイズ 自由(展示スペース内に限る)
補助金 第一次審査を通過した優秀賞入賞者には、それぞれ「20万円」を支給(搬出入費・遠方の方の宿泊費等は別途支給)
・氏名、性別、学校、受賞歴などのプロフィールについて、完全に伏せた上での審査
・判断材料はA4サイズのプレゼンシート2枚
    プレゼンシート1:スケッチ・マケット写真など
    プレゼンシート2:タイトル、素材、サイズ、重量、コンセプト、イメージに近い既存作品や過去の自分の作品写真
南條 史生 (森美術館館長)
広本 伸幸 (実践美学者)
児島 やよい(キュレーター、コーディネーター、ライター)
服部 信治 (主催会社 代表取締役社長)