AAC2011 最終審査に挑む3作品を発表!

 株式会社アーバネットコーポレーションは、2011年6月13日から9月26日まで「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)2011」として、「(仮)両国2プロジェクト」のエントランスホールに展示する立体アート作品を、全国の美術を学ぶ学生から募集いたしました。
一次審査会を9月29日に開催し、1点1点厳正なる審査のもと、最終審査会にすすむ入賞3作品、ならびに入選6作品が決定いたしましたのでご紹介いたします。
≪入賞≫ ※応募順

HOPE

堀 康史さん
多摩美術大学 美術学部 油画専攻 4年
素材:樹脂、木材
・入賞者コメント

この度はAAC2011の入選を頂き、誠にありがとうございます。
今回の作品では自分にとって初めての試みがあり不安もありますが、実制作の機会を与えて頂きとても嬉しく思います。
住居者の方が心地良く過ごせるための、1アイテムになれることを願います。
よろしくお願い致します。

・コンセプト
おりづるを壁面へ等間隔に配置した作品です。

マンションのコンセプト文から、「日本」が重要なテーマであると感じました。
そこで日本の文化である「おりがみ」をモチーフにした作品を提案します。
住居者の方にとってお守りのような存在になることを願い、おりがみの中でも縁起物である「おりづる」を選びました。

「白と黒のモノトーンで表現」されたマンションへ、調和と彩りを添えるために、さまざまな色のつるを配置します。
入り口で住居者を迎え、見守るように、つるは全て正面を向いています。

プライベートとパブリックが同居する空間を、身近な物に緊張感を持たせ整列させることで表現しました。

「時を紡いで」

向川 千世さん
大阪教育大学大学院 教育学研究科 美術教育専攻
素材:FRP
・入賞者コメント

発表の機会を与えていただいて、本当に嬉しく思います。
今年は、人々との繋がりが本当に大切なものだと改めて感じ、故郷への想いを強く持った年でした。その中で、過去から未来へ続いていく人々の営みに想いを馳せ、作品に新しい時代への願いを込めました。この作品を見ていただく人々に、ふとした郷愁や何かしら温かな想いを感じていただける作品にしたいと思っています。
きちんと期待にこたえられるよう制作に励み、充実した作品にできるよう頑張りたいと思います。

・コンセプト
伝統文化と江戸の人情が今も息づく町「両国」
水を湛えてゆるやかに流れる「隅田川」
この地で出会い、ふれあい、分かち合い、共に生きる人々。
遠い昔から今日まで、そして、この先へと続く人々の営みに想いを馳せる。
聞こえてくる なつかしい昔語り
             心浮き立つ祭り囃子
             神にささげる柏手の音
             笑い声、ざわめき
             そして、新たなる槌音
川の流れを溯るように悠久の時の流れの中を泳ぐ。
守りたい大切なもの、変わらない心の故郷に出会う。
受け継がれた想い出を手繰り、新しい時代の息吹の糸と撚り合わせていく。
さながら『 時を紡いで 』いくように。
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連綿と続く伝統の手技や江戸の人情を、絡み合う唐草模様や回り続ける水車のモチーフに込め、
人の心を投影した鯉が、想い出の川を溯り、また下り行くイメージを彫り込んだ。
厚みのある浮き彫りによって「重なり」や「奥行き」を表現し、立体としての強さを出すとともに、
透かし彫りによって「軽快さ」と「動き」を加え、この作品に込めたメッセージを伝えたい。
エントランスを行き交う人々の胸に、ふとした郷愁や何かしら温かな想い、
そして未来への希望を呼び起こさせる、そんな作品にしたいと考えている。

「土塊」

帆足 枝里子さん
女子美術大学大学院 美術学部 立体芸術専攻
素材:陶土、FRP、木(耐久性の不安から実制作は、陶土、アルミニウムに変更になりました)
・入賞者コメント

この度は、入賞作品に選んでいただくとともに、実制作の機会を与えていただき、大変嬉しく思っております。
今回の展示場所は、マンションのエントランスホールということで、空間の雰囲気や住民の方々の気分に寄り添い、より良くできるような作品となることを心がけて制作に臨みたいと思います。
緊張や不安はありますが、この経験を大事にし、自分をひとまわり成長させたいと思います。

・コンセプト
日本人には、日本人特有の美的感覚が備わっている。川面に花弁が一片浮かんでいれば風流だと感じ、使い古された茶碗に侘寂の感覚を見出す。
これは、日本人なら誰もが持つ感覚であるし、海外の方にはそれが日本の魅力としてうつるのではないだろうか。
今回の作品は、陶土を使用し、「土」のもつ独特な質感や、「土」の収縮する性質によって生み出されるヒビが作品全体を覆っている。
このような、「土」の生み出すテクスチャーは、人々に儚さや懐かしさなど様々な感覚を思い起こさせるきっかけとなるのではないかと考える。
≪入選≫ ※応募順

「木漏れ日」

「ライオンの木」

川島 大幸さん
東京芸術大学大学院 美術学部 彫刻専攻
原 雅俊さん
東京芸術大学大学院 美術学部 彫刻専攻
・審査員コメント
光の当たり方によって表情が変わり、綺麗だろうと予感させる作品。
また、白い空間に大理石という組み合わせも、清潔感があって良い。
本来石はどっしりとした塊の作品が多い中、あえて薄く、透過して見えるよう工夫されているのが面白い。
・審査員コメント
手仕事の"あや"を感じる作品。
樹木という、非常に難しいテーマに挑戦しているが、もう少し形が限定するものを題材にした方が、よりよい仕事が出来るのではないだろうか。
制作に真摯に取り組まれている様子が感じられて良かった。大変興味深い作品なので、今後も頑張って欲しい。

「鎮」

「幸福の柱」

飯村 健二さん
東京芸術大学大学院 美術学部 彫刻専攻
高橋 賢悟さん
東京芸術大学大学院 美術研究科 工芸専攻 鋳金
・審査員コメント
手のアイデアは面白いが、それに比べて2つの台座が煩雑である。設置方法は壁に直付けの方が良かったのではないだろうか。
また、福島第一原発事故の鎮魂的な意味を持つ作品であるため、マンションに置くことを考えるとメッセージ性が強すぎるのが残念なところ。
しかし、コンセプトや素材は面白く、また非常にチャレンジングな作品であるため、今後も頑張って欲しいという思いを込めて選出した。
・審査員コメント
生活の場で毎日目にする空間にあって、違和感がない作品。
「幸福な柱」というタイトルも含め、非常に綺麗で、ほっと出来る空間になるのではないかと思う。
過去の作品からも高い技術力がうかがえるため、実物を見てみたいが、設置方法や耐久性が少し気になるところ。

「 41+1」

「void」

山中 奈津紀さん
愛知県立芸術大学 美術学部 彫刻専攻 研究生
小宮 太郎さん
京都造形芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻
・審査員コメント
作家と住居者が共に1つの作品を作るという、参加型のアイデアが非常に面白い。
住居者の方が何らかの形で作品に関係することで、自分の作品のように思え、愛着が生まれる。
今回は惜しくも入選だったが、今後の展開に期待。色々な作品に活かしてもらいたい。
・審査員コメント
"立体コンペ"というイメージの、幅が広がるような作品。どんな映り方をするのか、実際に見てみたい。
住居者は部屋に戻る際、エントランスのこの作品の前を通過することになる。映し出される姿を見て、自分を振り返る瞬間を与えてくれるような作品であり、都市での生活を更に活気づけるヒントになりそうだ。

応募について

28作品(2010年:27作品)
応募者数:26名(2010年:22名)
24.5歳(最年少19歳・最年長35歳)
■ 男女


■ 都道府県別(住所)
■ 学年


■ 年齢
■ 学校別


■ 学部専攻
彫刻8名、工芸6名、立体芸術2名。その他 建築、日本画、油画等
過去のAACに応募されたことのある方
2010年度応募:4名(入賞:2名)

一次審査について

募集 マンションの共用空間に展示するための立体アート作品
設置場所 「(仮)両国2プロジェクト」マンションのエントランスホール(東京都)
分野 立体アート(彫刻、レリーフ等も含む立体作品)
材質 石・鉄・FRP等、長期展示に耐えうる素材
形状 展示場所にアンカー等で固定できる形状(居住者にとって安全で、且つ壊れにくいことが必須条件)
作品サイズ 展示スペースに収まる寸法で、重量約100kg以下( 展示スペースの壁面に設置する場合、重量約10kg以内)
展示スペース 幅2700×奥行400×高さ2300 (単位:mm)
台座サイズ 自由(展示スペース内に限る)
補助金 第一次審査を通過した優秀賞入賞者には、それぞれ「20万円」を支給(搬出入費・遠方の方の宿泊費等は別途支給)
・氏名、性別、学校、受賞歴などのプロフィールについて、完全に伏せた上での審査
・判断材料はA4サイズのプレゼンシート2枚
プレゼンシート1:スケッチ・マケット写真など
プレゼンシート2:タイトル、素材、サイズ、重量、コンセプト、イメージに近い既存作品や過去の自分の作品写真
酒井 忠康 (世田谷美術館館長・美術評論家)
岩渕 貞哉 (『美術手帖』編集長)
内田 真由美(アート・コーディネーター)
服部 信治 (主催会社 代表取締役社長)

主催会社挨拶

■ 服部信治 / 株式会社アーバネットコーポレーション 代表取締役社長
この度の東日本大震災により被災された皆様に、謹んでお見舞い申しあげますと共に、一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
また、大変な時期にも関わらず、ご応募いただいた学生の皆様、本当にありがとうございました。

弊社は、2001年度から学生限定の彫刻・立体アートコンペ『アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)』を毎年開催し、今年で11年目を迎えました。
このAACは、自社ブランドのマンションに常設展示する彫刻・立体アートを募集するもので、今年は全国から28作品が集まりました。ご応募いただいた学生の皆様、誠にありがとうございました。
また、ご協力いただきました学校関係者の皆様、マスコミの皆様、そして審査員の皆様にも心から感謝いたします。ありがとうございました。

本年度は、東日本大震災を受けてAACの開催を自粛するかどうか、という意見がスタッフから挙りました。
しかしAACは、「彫刻・立体アートを学んでいる学生の発表の場が少ない」ということから、「これらを学ぶ学生を支援していきたい」、「彫刻・立体アートと建築が融合することで展示する場を増やし、更には日本のマンションに住まう人々にアートを楽しんでいただきたい」という学生支援の強い気持ちから始めた学生限定の彫刻・立体アートコンペです。
自粛をするよりも、被災された地域の学生を含めて、少しでも学生の方々を支援する環境を作ることこそが、今大切であると考え、開催を決定いたしました。

応募数が少ないながらも、意外な素材を使用した作品や、面白い展示方法の作品が多く、審査員を悩ませました。討議を重ねた結果、最終審査会にすすむ3作品、入選6作品を決定いたしましたが、それ以外にも、バラエティーに富んだ優秀な作品が多くあったことをご報告いたします。
最終審査会にすすむ3名の方には、ご自身の持っている力を存分に発揮していただき、「(仮称)両国2プロジェクト」のエントランスに、常設展示されることを目標に制作していただきたいと存じます。このAACへのチャレンジが今後の創作活動の重要な糧となることをお祈りしています。